更新日:2003-02-04
作成者:坂口修一(SAKAGUTI Syuiti)
連絡先:sakaguti@yamaguchi-u.ac.jp

ICU大学院理学研究科・教養学部理学科用
学位論文印刷用 pLaTeX2e 雛形「卒論雛形」
2001-06-30 版

「卒論雛形」についての解説  坂口修一

物理学・化学・生物学など自然科学分野の卒論の形式は実験レポートのそれに近く,皆概ね同じようなものではないかと思う。それならば,いっその事その最大公約数的な形式を雛形にしてしまえば楽なのではないかと思い,この雛形を作成した。この中では icu-thesis.tex が論文本体となるように書かれていて,この中から他の章・節別のファイルを参照するようになっている。また preprint.tex は校正の際の下刷り用に作成した。これを用いれば,少ない紙数で校正刷りができる。卒論では ICU 独自の印刷様式を要求されるが,それを簡単に満たす為に icu-thesis.sty というスタイルファイルが坂口(筆者)と岡田崇(筆者の同期)により作成された。これを使用することにより,用紙設定と表紙の出力が非常に簡単にできるであろう。なお,以下の雛形ファイルはすべて thesis-hina_UNIX_EUC.tgz (UNIX tar file)に含まれている。

この雛形の簡単な使用法を述べよう。まずは自分がこれから論文を書こうと考えているディレクトリ(フォルダ)に雛形ファイル一式を揃えて欲しい。次に何も手を加えず,icu-thesis.tex を platex,jbibtex,platex,platex の順で処理する。(注: 表紙や和文抄訳の処理も必要なので,日本語用のプログラムを使うが,本文自体は英語で書かれることを想定してこの雛形は作られている。)ここで,icu-thesis.dvi というファイルができているはずである。これを dvi viewer (xdvi etc.) で見てみると,十数ページの文書となっているだろう。(比較用に PDF にしたものを用意したので見てみるとよい。)これで基本的な枠組みは手に入ったことと思う。後は適宜自分の好みに合わせて書き換えて行くだけである。読者の中には TeX に十分慣れている方も居るだろうが,そのような方は icu-thesis.sty の解説を読み,後は自分の好みに従うことをお勧めする。また,pLaTeX そのものに関することを知るには,以前筆者らが開催した講習会で用いたレジュメ「卒論・修論のためのpLaTeX2e基礎講座」もあるので,こちらを見るとよい。

なお,筆者としてはこの雛形がどの程度使用されているのかは興味のあるところなので,実際に卒論・修論に使用された方は知らせてくれると有り難く思う。 使用報告が多いようならば,筆者はこのページの保守・更新を今後も続ける事であろう。

(2001-06-30 初版,2003-02-04 三訂)


構成ファイル一覧

卒論雛形を構成するファイルそれぞれについて,簡単な説明を付した。なお,文字・改行コードや拡張子の問題を避けるため,ファイルそのものは個々にコピーするのではなく,ページ最下部のファイルアーカイブから一括ダウンロードすることをお勧めする。

・ pLaTex, jBibTeX で処理するファイル

icu-thesis.tex 論文本体のファイル。通常はこのファイルに対して platex,bibtex 等の処理を行う。スタイルファイルの変更,ページ書式の変更,読み込むファイルの変更などの場合は全てこのファイルを編集する。表紙から和文抄訳までの一切が一回で処理・印刷できるように設定しておくと提出時に便利だろう。
preprint.tex 校正刷りのためのファイル。紙数を節約できるように,詰めて印刷することができる。また,参照ファイルを適宜コメントアウトすることにより,必要な部分のみを印刷することもできる。
resume.tex 発表会のレジュメに和文抄訳をそのまま使用する場合は,このファイルを処理して印刷すればよい。

・定義やデータを書き込んでおくファイル

icu-thesis.sty 坂口・岡田による卒論用スタイルファイル。表紙,用紙等の設定がなされている。たとえ本文を TeX で書かないとしても,表紙の印刷機能は重宝であろう。この卒論雛形で最も重要なファイルである。
title-def.tex 題名・氏名などはここで定義し,他から参照する。特に修論の場合は表紙が三種類必要なので,入力間違いを避ける為にこのファイルで定義したものを参照する様にした方がよい。
icu-thesis.bib BiBTeX による参考文献リスト作成のためのデータベースファイル。引用しそうな文献はこのファイルに書き込んでおく。その際,特別な書式に従う必要がある。引用する論文が多い時には便利。BiBTeX を使用しない時には不要。BiBTeX に不馴れで,引用する文献も少なくて済む様な場合には,bibitem - cite による半自動化方式を使用するとよい。筆者作成のレジュメ「卒論・修論のためのpLaTeX2e基礎講座」を参照のこと。

・本文を書き込むファイル

abstract.tex 概要。論文全体の要約。不要な場合もあり。
acknowledgments.tex 謝辞。英文による例文付き。
introduction.tex 序文。
theory.tex 理論。
procedure.tex 手順。
results.tex 結果。
discussion.tex 考察,議論。
conclusion.tex 結論。
figures.tex 図・表。この雛形ではここに図と表を集中させているが,好みによっては文中に挿入する形式でも構わない。
references.tex BiBTeX を使用する場合は参考文献リストの文献リストのファイル・印刷形式をここで指定する。BiBTeX を使用しない場合は,このファイルに thebibliography に始まる一連の参考文献リストをここに書く。
wabun.tex 和文抄訳の本文だけをここに書く。この文章はwabunsyouyaku.texおよびresume.texに取り込まれる。
wabunsyouyaku.tex 和文抄訳を取り込むためのファイル。


処理例

この雛形に何も手を加えずに処理すれば次の様な出力を得るはずである。


ファイルアーカイブ

上記のファイルを一般的と思われる形式で圧縮した物である。 行末コードは UNIX 形式,文字コードは EUC とする。UNIX 系 OS (MacOSX も含む)のターミナルからコマンドラインで TeX を使用しているならば,このままでよいが,Windows など他のプラットフォームを使用している場合は,適切な行末コード,文字コードに変換して欲しい。

UNIX上で thesis-hina_UNIX_EUC.tgz を解凍・展開するには,コマンドプロンプト($,%)から「tar -xzvf thesis-hina.tgz」とすればよい。それができない時は,はじめに「gunzip thesis-hina.tgz 」としてから「tar -xvf thesis-hina.tar」とすればよいだろう。 MacからNetscapeを使っている時でファイルがうまく落とせない時は,コマンドキー(林檎印のキー)を押しながら「リンクを別名で保存」を選ぶとよい。


pv: (scince 2006-03-20)